Antaa DI

drug

デュピクセント皮下注300mgシリンジ

デュピルマブ(遺伝子組換え)キット(1)

分子標的治療薬 >>

特徴

  • アトピー性皮膚炎に対する初の生物学的製剤

専門医コメント

ヒトIL-4、IL-13受容体の複合体が

用法・用量

〈アトピー性皮膚炎〉

通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

通常、生後6カ月以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて次を皮下投与する。

5kg以上15kg未満:1回200mgを4週間隔。

15kg以上30kg未満:1回300mgを4週間隔。

30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔。60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔。〈結節性痒疹〉

通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

〈特発性の慢性蕁麻疹〉

通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

通常、12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて次を皮下投与する。

30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔。60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔。〈気管支喘息〉

通常、成人及び12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉

通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。なお、症状安定後には、1回300mgを4週間隔で皮下投与できる。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

用法・用量に関連する注意

7.1. 〈アトピー性皮膚炎〉本剤による治療反応は、通常投与開始から16週までには得られるため、16週までに治療反応が得られない場合は、投与中止を考慮すること。7.2. 〈アトピー性皮膚炎、特発性慢性蕁麻疹〉200mgシリンジと300mgシリンジ又は300mgペンの生物学的同等性試験は実施していないため、600mgを投与する際には200mgシリンジを使用しないこと。

7.3. 〈特発性慢性蕁麻疹〉臨床試験において、本剤の24週以降の使用経験は無いため、24週以降も継続して投与する場合は、患者の状態を考慮し、その必要性を慎重に判断すること。

特に、特発性慢性蕁麻疹の場合、用法及び用量どおり、24週間使用しても効果が認められない場合には、漫然と投与を続けないよう注意すること〔17.1.5参照〕。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

【共通】既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎【300mgのみ】気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症・難治の患者に限る)、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)

効果・効能

1). 既存治療で効果不十分な次記皮膚疾患:

@. *アトピー性皮膚炎。

A. 結節性痒疹。

B. 特発性慢性蕁麻疹。

2). *気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)。

3). *鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)。*)最適使用推進ガイドライン対象。

効果・効能に関連する注意

5.1. 〈アトピー性皮膚炎〉ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者に用いること〔17.1.1−17.1.3参照〕。5.2. 〈アトピー性皮膚炎〉原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること。

5.3. 〈アトピー性皮膚炎〉アトピー性皮膚炎の場合、本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること。

5.4. 〈結節性痒疹〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景を十分に理解した上で、本剤はステロイド外用剤等による治療を施行しても、痒疹結節を主体とする病変が多発し、複数の部位に及ぶ患者に用いること〔17.1.4参照〕。

5.5. 〈結節性痒疹〉最新の診療ガイドライン等を参考に、臨床症状及び全身検索に基づいて他の皮膚疾患との鑑別を行うこと。

5.6. 〈特発性慢性蕁麻疹〉食物、物理的刺激等の蕁麻疹の症状を誘発する原因が特定されず、ヒスタミンH1受容体拮抗薬の増量等の適切な治療を行っても、日常生活に支障をきたすほどの痒みを伴う膨疹が繰り返して継続的に認められる場合に本剤を追加して投与すること〔17.1.5参照〕。

5.7. 〈気管支喘息〉最新のガイドライン等を参考に、中用量又は高用量の吸入ステロイド薬とその他の長期管理薬を併用しても、全身性ステロイド薬の投与等が必要な喘息増悪をきたす患者に本剤を追加して投与すること。

5.8. 〈気管支喘息〉本剤はIL−4及びIL−13シグナル伝達を阻害することにより、喘息の病態に関与する2型炎症反応を抑制することから、臨床試験で認められた本剤投与前の2型炎症に関連するバイオマーカー(血中好酸球数、FeNO、IgE等)の値と有効性の関係を十分に理解し、患者の2型炎症に関連するバイオマーカーの値を考慮した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.6参照〕。5.9. 〈気管支喘息〉本剤は既に起きている気管支喘息の発作や症状を速やかに軽減する薬剤ではないので、急性の発作に対しては使用しないこと。5.10. 〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉本剤は全身性ステロイド薬、手術等ではコントロールが不十分な患者に用いること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 重篤な過敏症:アナフィラキシー(0.1%未満)が報告されており、血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅、血管性浮腫等があらわれる可能性がある〔8.2参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 感染症および寄生虫症:(5%未満)結膜炎、口腔ヘルペス、単純ヘルペス。2). 眼障害:(5%未満)アレルギー性結膜炎、眼瞼炎、眼乾燥、(頻度不明)眼そう痒症、角膜炎、潰瘍性角膜炎。

3). 血液およびリンパ系障害:(5%未満)好酸球増加症。4). 注射部位:(5%以上)注射部位紅斑、(5%未満)注射部位反応、注射部位そう痒感、注射部位浮腫。

5). 神経系障害:(5%未満)頭痛。

6). 皮膚および皮下組織障害:(5%未満)発疹。

7). その他:(5%未満)発熱、関節痛、(頻度不明)血清病、血清病様反応。

警告

本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。

重要な基本的な注意

8.1. 〈効能共通〉本剤の投与によって合併する他のアレルギー性疾患の症状が変化する可能性があり、当該アレルギー性疾患に対する適切な治療を怠った場合、症状が急激に悪化し、喘息等では死亡に至るおそれもある。本剤の投与間隔変更後及び投与中止後の疾患管理も含めて、本剤投与中から、合併するアレルギー性疾患を担当する医師と適切に連携すること。患者に対して、医師の指示なく、合併する他のアレルギー性疾患に対する治療内容を変更しないよう指導すること。

8.2. 〈効能共通〉ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切に対処できるようにしておくこと〔11.1.1参照〕。8.3. 〈効能共通〉長期ステロイド療法を受けている患者において、本剤投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと(ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと)。

8.4. 〈効能共通〉本剤の臨床試験において、好酸球性肺炎及び好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の発現が認められているので、本剤投与中は、好酸球数の推移、並びに血管炎性皮疹、肺症状悪化、心臓合併症及びニューロパチー等に注意すること。8.5. 〈効能共通〉本剤はIL−4及びIL−13の阻害作用により2型免疫応答を抑制し、2型免疫応答は寄生虫感染に対する生体防御機能に関与している可能性があるので、患者が本剤投与中に寄生虫感染を起こし、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、寄生虫感染が治癒するまで本剤の投与を一時中止すること〔9.1.1参照〕。8.6. 〈効能共通〉本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。

8.7. 〈効能共通〉本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者又はその保護者が理解し、患者自ら又はその保護者が確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、自己投与適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、自己投与適用後、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者又はその保護者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないよう患者又はその保護者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うとともに、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。8.8. 〈アトピー性皮膚炎〉アトピー性皮膚炎の場合、本剤が疾病を完治させる薬剤でなく、本剤投与中も保湿外用剤等を併用する必要があることを患者に対して説明し、患者が理解したことを確認したうえで投与すること。

8.9. 〈気管支喘息〉本剤の投与開始後に喘息症状がコントロール不良であったり、悪化した場合には、医師の診療を受けるよう患者に指導すること。(特定の背景を有する患者に関する注意)

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 寄生虫感染患者:本剤を投与する前に寄生虫感染の治療を行うこと〔8.5参照〕。

高齢者

一般的に生理機能(免疫機能等)が低下している。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られており、また、本剤のサル相同抗体を妊娠カニクイザルへ投与した場合、胎盤を通過して胎仔に移行することが確認されている)。(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁への移行は不明であるが、本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている)。

小児等

〈アトピー性皮膚炎〉アトピー性皮膚炎の低出生体重児、アトピー性皮膚炎の新生児及びアトピー性皮膚炎の生後6カ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。〈結節性痒疹、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉結節性痒疹の小児等、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

〈特発性の慢性蕁麻疹〉特発性慢性蕁麻疹の6歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。臨床試験において、特発性慢性蕁麻疹の6歳以上12歳未満の小児に対する投与経験は極めて限られている。

〈気管支喘息〉気管支喘息の12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.1. 薬剤投与前の注意

14.1.1. 投与前に300mgシリンジ及び300mgペンは45分以上かけて室温に戻しておくことが望ましい。

14.1.2. 溶液が白濁したり、着色したり、微粒子がみられた場合及びシリンジに損傷がみられた場合には本剤は使用しないこと。

14.1.3. 投与直前まで本剤のキャップを外さない(キャップを外したら直ちに投与する)。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 皮下注射は腹部・大腿部又は上腕部に行うこと。腹部へ投与する場合はへその周り5cmを外して投与すること。注射部位反応が報告されているので、同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。

14.2.2. 正常な皮膚の部位に注射すること。皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷・打撲や傷のある部位、アトピー性皮膚炎の強い炎症を伴う部位には注射しないこと。14.2.3. 他の薬剤と混合しないこと。

14.2.4. 本剤は1回で全量を使用する製剤であり、再使用しないこと。(取扱い上の注意)

20.1. 外箱開封後は遮光して保存すること。

20.2. 本剤を温めたり、直射日光に晒さないこと。また、本剤を振とうしないこと。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

本剤を投与したときの抗薬物抗体陽性反応(ADA陽性反応)発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合について、成人のアトピー性皮膚炎患者では、それぞれ約6%、約2%及び約1%、本剤を投与したときの抗薬物抗体陽性反応(ADA陽性反応)発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合について、12〜17歳のアトピー性皮膚炎患者では、それぞれ約16%、約3%及び約5%、並びに本剤を投与したときの抗薬物抗体陽性反応(ADA陽性反応)発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合について、生後6カ月〜11歳のアトピー性皮膚炎患者では、それぞれ約2%、0%及び約1%であった。本剤を投与したときの抗薬物抗体陽性反応(ADA陽性反応)発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合について、結節性痒疹患者では、それぞれ約8%、約1%及び約3%、特発性慢性蕁麻疹患者では、それぞれ約7%、1%及び約2%、気管支喘息患者では、それぞれ約5%、約2%及び約2%、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者では、それぞれ約5%、約2%及び約3%であった。なお、プラセボ群のADA陽性反応発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性発現割合は、それぞれ約4%、約2%及び約1%であった。高抗体価(10000超)のADAの発現例(発現頻度1%未満)では、本剤の薬物動態及び有効性への影響が示唆された。加えて、高抗体価のADAに関連した血清病及び血清病様反応が認められた。

保管上の注意

凍結を避け、2〜8℃にて保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 デュピクセント皮下注300mgシリンジ

成分 1製剤(2mL)中の分量

有効成分 デュピルマブ(遺伝子組換え)注1) 300mg

添加剤 L‐ヒスチジン 5.4mg

L‐ヒスチジン塩酸塩水和物 1.0mg

L‐アルギニン塩酸塩 10.5mg

酢酸ナトリウム水和物 2.6mg

氷酢酸 0.3mg

精製白糖 100mg

ポリソルベート80 4mg

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注1)本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。

3.2 製剤の性状

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販売名 デュピクセント皮下注300mgシリンジ

性状・剤形 無色〜微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)

pH 5.6〜6.2

浸透圧比 約1.0(生理食塩液に対する比)

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薬効薬理

18.1 作用機序

デュピルマブは、ヒトインターロイキン‐4及びインターロイキン‐13受容体の複合体が共有しているIL‐4受容体αサブユニットに特異的に結合することにより、IL‐4及びIL‐13の両シグナル伝達を阻害する遺伝子組換えヒトIgG4モノクローナル抗体である。IL‐4及びIL‐13はアトピー性皮膚炎、結節性痒疹、特発性の慢性蕁麻疹、気管支喘息及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の病態において重要な役割を担うType2サイトカインである。

18.2 IL‐4及びIL‐13シグナル伝達に対する作用

デュピルマブは高親和性にヒトIL‐4Rαに結合し、IL‐4及びIL‐13を介したシグナル伝達をin vitro及びin vivoで抑制した。

18.3 2型炎症モデルにおける炎症抑制作用

内因性マウスIL‐4及びIL‐4Rαの外部領域の両方を、相当するヒト配列で置換した遺伝子改変マウスを用いたチリダニアレルゲン誘発性Type2炎症モデルにおいて、デュピルマブは、血清中IgE濃度、アレルゲン特異的IgG1濃度等を低下させるとともに、肺好酸球浸潤、杯細胞化生並びに肺機能障害を抑制した。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 単回投与

日本人健康成人に本剤300mg又は600mgを単回皮下投与したときのデュピルマブの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。

本剤300mg又は600mgを単回皮下投与したときの血清中濃度推移

<<図省略>>

本剤300mg又は600mgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ

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投与量(mg) Cmax(mg/L) tmax注1)(day)     AUClast(mg・day/L) t1/2z注2)(day)

300(6例) 38.3±15.3  7.01(6.99−10.00) 700±234           5.13±1.42

600(6例) 70.1±24.1  7.00(3.00−7.02)  1780±699          8.77±5.18

(平均値±標準偏差)

注1)中央値(最小値−最大値)

注2)血清中薬物濃度の経時的推移を片対数プロットしたときの最終消失相の回帰直線の傾きから算出

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16.1.2 反復投与(成人)

アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、特発性の慢性蕁麻疹、気管支喘息及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者(成人)に本剤300mgを隔週で反復投与したときのデュピルマブのトラフ濃度(平均値±標準偏差)を効能別に示す(日本人及び外国人データ)。

デュピルマブのトラフ濃度

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効能          例数(名) トラフ濃度(mg/L) 週

アトピー性皮膚炎    219   73.3±40.0   16

結節性痒疹       65    60.2±34.7   24

気管支喘息       544   69.0±37.8   24

鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎 142   80.2±35.3   24

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16.1.3 反復投与(小児)

小児のアトピー性皮膚炎患者に本剤を反復投与したときのデュピルマブのトラフ濃度(平均値±標準偏差)を示す(日本人データ)。

デュピルマブのトラフ濃度

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体重           用量        例数(名) トラフ濃度(mg/L) 週

60kg以上       300mg Q2W 3     90.1±26.2   16

30kg以上60kg未満 200mg Q2W 14    62.5±29.7   16

15kg以上30kg未満 300mg Q4W 7     86.6±29.9   16

5kg以上15kg未満  200mg Q4W 3     95.7±38.6   16

Q2W:2週に1回投与、Q4W:4週に1回投与

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16.1.4 母集団薬物動態解析

本剤は主に血管内のコンパートメントに分布し、母集団薬物動態解析により推定される分布容積は約4.6Lであった。

母集団薬物動態解析により、定常状態時の最終投与から本剤の血清中濃度が定量下限未満に低下する時間の中央値は、300mg隔週投与で10〜12週間と推定された。

16.2 吸収

母集団薬物動態解析により推定される皮下投与時の絶対バイオアベイラビリティは、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、特発性の慢性蕁麻疹、気管支喘息及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者の間で類似しており、61〜64%であった。