特徴
CFPN-PI。第3世代セフェム。経口
専門医コメント
特徴文に記載の通り、bioavailab
用法・用量
通常、成人にはセフカペン ピボキシル塩酸塩水和物として1回100mg(力価)を1日3回食後経口投与する。なお、年齢及び症状に応じて適宜増減するが、難治性又は効果不十分と思われる症例には1回150mg(力価)を1日3回食後経口投与する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
原則禁忌
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。
用法・用量に関連する注意
<用法・用量に関連する使用上の注意>
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめる。
腎機能用量
15≦CCr<60:1日200mgを分2
CCr<15:1日100mgを分1〜2
透析:1日1回100mg。血液透析患者は血液透析日には血液透析後に投与
適応
【適応症】表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、子宮頸管炎、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎【小児】表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱【適応菌種】ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)、アクネ菌
効果・効能
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、子宮頚管炎、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎。
効果・効能に関連する注意
<効能・効果に関連する使用上の注意>
咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与する。
適応菌種
セフカペンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ・カタラーリス(ブランハメラ・カタラーリス)、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)、アクネ菌。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1.重大な副作用(頻度不明)
1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、呼吸困難、血圧低下等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。2).急性腎障害:急性腎障害等の重篤な腎障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3).無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血:無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4).偽膜性大腸炎、出血性大腸炎:偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎が現れることがあるので、腹痛、頻回の下痢が現れた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行う。
5).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症(剥脱性皮膚炎)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
6).間質性肺炎、好酸球性肺炎:間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の症状が現れた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線検査、速やかに血液検査等を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。7).劇症肝炎、肝機能障害、黄疸:劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
8).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、このような場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行う。
その他の副作用
2.その他の副作用(頻度不明)
1).過敏症:発疹、蕁麻疹、そう痒感、発赤、紅斑、腫脹、発熱、関節痛[症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う]。
2).血液:好酸球増多、顆粒球減少、貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少)、血小板減少。
3).肝臓:ALT上昇(GPT上昇)、AST上昇(GOT上昇)、LDH上昇、Al−P上昇、γ−GTP上昇、黄疸。
4).腎臓:BUN上昇、蛋白尿、血尿、クレアチニン上昇、浮腫。5).消化器:下痢、腹痛、胃不快感、胃痛、嘔気、嘔吐、食欲不振、便秘、口渇、口内しびれ感。
6).菌交代症:口内炎、カンジダ症。
7).ビタミン欠乏症:ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。8).その他:CK上昇(CPK上昇)、眩暈、頭痛、アルドラーゼ上昇、倦怠感、眠気、心悸亢進、四肢しびれ感、筋肉痛、血清カルニチン低下。
慎重投与
1.ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。2.本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。
3.高度腎障害のある患者[血中濃度が持続するので、投与量を減らすか、投与間隔をあけて使用する]。
4.経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状が現れることがあるので観察を十分に行う]。
5.高齢者。
重要な基本的な注意
ショックが現れる恐れがあるので、十分な問診を行う。
高齢者
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
1.本剤は腎排泄型の薬剤であり、高齢者では一般に生理機能が低下していることが多く、高齢者を対象としたセフカペン ピボキシル塩酸塩製剤の薬物動態の検討において、副作用は認められなかったが、健康成人に比べ尿中回収率はやや低く、血中半減期も延長する傾向が認められている。
2.高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向が現れることがある。
妊婦・授妊婦
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、妊娠後期にピボキシル基を有する抗生物質を投与された妊婦と、その出生児において低カルニチン血症の発現が報告されている]。
小児等
小児等への投与
1.低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。2.小児(特に乳幼児)においてピボキシル基を有する抗生物質(小児用製剤)の投与により、低カルニチン血症に伴う低血糖が現れることがある。血清カルニチンが低下する先天性代謝異常の小児であることが判明した場合には投与しない。
臨床検査結果に及ぼす影響
1.テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意する。
2.直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意する。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
取扱い上の注意
安定性試験:本品につき加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)を行った結果、セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「日医工」及びセフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「日医工」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
その他の注意
1.動物試験(イヌ)でCK上昇(CPK上昇)を伴う筋細胞障害(骨格筋の病理組織学的検査)が認められている。
2.本剤を含むピボキシル基を有する抗生物質(セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物、セフジトレン ピボキシル、セフテラム ピボキシル、テビペネム ピボキシル)の投与により、ピバリン酸(ピボキシル基を有する抗生物質の代謝物)の代謝・排泄に伴う血清カルニチン低下が報告されている。また、小児(特に乳幼児)においては、ピボキシル基を有する抗生物質(小児用製剤)の投与により、低カルニチン血症に伴う低血糖が現れることがあるので、ピボキシル基を有する抗生物質の投与に際してはカルニチンの低下に注意する。
保管上の注意
気密容器。
組成・性状
1.組成
1錠中:
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販売名 セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「ファイザー」
成分
有効成分 日局 セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物 100.0mg(力価)
添加物 トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、白糖、マクロゴール6000、酸化チタン、タルク、三二酸化鉄
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2.性状
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販売名 外形 識別コード 色調等
上面 下面 側面
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「ファイザー」 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>> M309 うすい赤色 フィルムコーティング錠
直径 8.7mm 厚さ 3.9mm 重量 220mg
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薬効薬理
抗菌力を示す活性体は、吸収時に腸管壁のエステラーゼにより加水分解を受けて生成するセフカペンであり、細菌の細胞壁合成を阻害することで、殺菌的抗菌作用を発揮する。黄色ブドウ球菌では致死標的といわれているPBP(ペニシリン結合たん白)1、2、3のすべてに高い結合親和性を有するが、大腸菌及びプロテウス・ブルガリスでは隔壁合成に必須な酵素のPBP3に高い結合親和性を示す。
活性体セフカペンは、試験管内では次の性質を示す。(ア)好気性及び嫌気性のグラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広い抗菌スペクトルを有する、(イ)ペニシリン耐性肺炎球菌及びアンピシリン耐性インフルエンザ菌に対しても抗菌力がある、(ウ)各種細菌の産生するβ‐ラクタマーゼに安定である、(エ)最小殺菌濃度は最小発育阻止濃度とほぼ一致する。
薬物動態
生物学的同等性試験
1.セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「ファイザー」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「ファイザー」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物として75mg(力価))健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中セフカペン(活性代謝物)濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0−10(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr)
セフカペンピボキシル塩酸塩錠75mg「ファイザー」 1951.12±458.70 597.10±179.13 2.20±1.41 1.61±0.30
標準製剤(錠剤、75mg) 2043.78±460.37 607.06±142.80 1.83±0.96 1.89±0.52
(平均値±標準偏差、n=20)
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<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
2.セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「ファイザー」
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「ファイザー」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物として100mg(力価))健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中セフカペン(活性代謝物)濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0−10(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr)
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「ファイザー」 2588.84±597.84 777.62±201.54 1.97±0.70 1.73±0.91
標準製剤(錠剤、100mg) 2709.11±588.01 818.21±218.83 2.13±0.68 1.53±0.28
(平均値±標準偏差、n=19)
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<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。