特徴
STFX。第4世代。
専門医コメント
フルオロキノロン系の抗菌薬で、キノロン系
用法・用量
通常、成人に対してシタフロキサシンとして1回50mgを1日2回又は1回100mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分と思われる症例には、シタフロキサシンとして1回100mgを1日2回経口投与することができる。
禁忌
2.1. 本剤の成分又は他のキノロン系抗菌薬に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。2.3. 小児等〔9.7小児等の項参照〕。
用法・用量に関連する注意
腎機能低下している患者では、本剤の血中濃度が上昇するため、投与量、投与間隔を調節すること〔9.2腎機能障害患者の項、16.6.1参照〕[参考:腎機能障害患者におけるシタフロキサシンの用法及び用量の目安]1)50mL/min≦CLcr:(体重60kgとした場合)50mg1日2回又は100mg1日1回、2)30mL/min≦CLcr<50mL/min:(体重60kgとした場合)50mg1日1回、3)10mL/min≦CLcr<30mL/min:(体重60kgとした場合)1回50mgを48時間以上の間隔毎。
腎機能用量
30≦CCr<50:1日1回50mg
CCr<30:1回50mgを2日に1回
透析:1回50mg又は100mgを週3回、血液透析後に投与
適応
咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、子宮頸管炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎
効果・効能
1). 咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染。
2). 膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎。
3). 子宮頸管炎。
4). 中耳炎、副鼻腔炎。
5). 歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎。
効果・効能に関連する注意
5.1. 〈効能共通〉本剤は下痢、軟便が高頻度に認められているため、本剤の使用に際しては、リスクとベネフィットを考慮すること〔11.2参照〕。5.2. 〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
適応菌種
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ・カタラーリス(ブランハメラ・カタラーリス)、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):血圧低下、呼吸困難、皮疹、血管性浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(頻度不明)。
11.1.3. 急性腎障害(頻度不明)。
11.1.4. 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇等があらわれることがある。
11.1.5. 汎血球減少症(頻度不明)、無顆粒球症(頻度不明)、溶血性貧血(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)。
11.1.6. 偽膜性大腸炎(頻度不明):腹痛、頻回の下痢等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7. 低血糖(頻度不明):低血糖性昏睡に至る例も報告されている(糖尿病患者、腎機能障害患者、高齢者であらわれやすい)。
11.1.8. 錯乱(頻度不明)、せん妄(頻度不明)、幻覚等の精神症状(頻度不明)。
11.1.9. 大動脈瘤(頻度不明)、大動脈解離(頻度不明)〔8.2、9.1.3参照〕。
11.1.10. アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明):腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.8.1参照〕。
11.1.11. 痙攣(頻度不明)。
11.1.12. QT延長(頻度不明)、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)(頻度不明)。
11.1.13. 間質性肺炎(頻度不明)。
11.1.14. 横紋筋融解症(頻度不明)。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(1〜10%未満)発疹、(0.1〜1%未満)そう痒症、蕁麻疹、(頻度不明)光線過敏症。
2). 精神神経系:(1〜10%未満)頭痛、(0.1〜1%未満)めまい、不眠症。3). 消化器:(1〜10%未満)*軟便、*下痢、腹痛、(0.1〜1%未満)腹部不快感、悪心、腹部膨満、便秘、消化不良、口唇炎、嘔吐、口渇、口内炎、排便回数増加、舌炎、口の錯感覚。
4). 肝臓:(1〜10%未満)ALT上昇、AST上昇、γ−GTP上昇、(0.1〜1%未満)ALP上昇、LDH上昇。
5). 血液:(1〜10%未満)好酸球数増加、(0.1〜1%未満)好中球数減少、血小板数増加、白血球数減少、白血球数増加。
6). その他:(0.1〜1%未満)CK上昇、血糖減少、血中カリウム増加、トリグリセリド増加、尿蛋白陽性、腟カンジダ症、異常感、血中カリウム減少、背部痛、悪寒、倦怠感、(頻度不明)浮腫。
*)〔5.1参照〕。
重要な基本的な注意
8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。8.2. 大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔9.1.3、11.1.9参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣を起こすことがある。
9.1.2. 重症筋無力症の患者:類薬で症状を悪化させるとの報告がある。9.1.3. 大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくは大動脈瘤のリスク因子を有する又は大動脈解離のリスク因子を有する患者(マルファン症候群等):必要に応じて画像検査の実施を考慮すること(海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある)〔8.2、11.1.9参照〕。(腎機能障害患者)
〔7.用法及び用量に関連する注意の項、16.6.1参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:
1). アルミニウム含有の制酸薬<経口>又はマグネシウム含有の制酸薬<経口>等、カルシウム剤<経口>、鉄剤<経口>(乾燥水酸化アルミニウムゲル<経口>、酸化マグネシウム<経口>、乾燥硫酸鉄<経口>、沈降炭酸カルシウム<経口>等)〔16.7.1参照〕[本剤の効果が減弱されるおそれがあるので、これらの薬剤は本剤投与後2時間以上あけて投与する(これらの薬剤とキレートを形成し、本剤の吸収が低下すると考えられている)]。
2). フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬(ケトプロフェン等)[痙攣を起こすことがある(中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている)]。
3). 副腎皮質ホルモン剤<経口剤及び注射剤>(プレドニゾロン<経口剤及び注射剤>、ヒドロコルチゾン<経口剤及び注射剤>等)[腱障害のリスクが増大するとの報告があるので、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること(機序は不明である)]。
高齢者
9.8.1. 腱障害があらわれやすいとの報告がある〔11.1.10参照〕。9.8.2. 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)〔16.6.2参照〕。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で器官形成期の投与において、胎仔体重減少及び胎仔骨化遅延、出生仔<離乳後>体重増加抑制が認められている。動物実験(ウサギ)で器官形成期の投与において、流産及び胎仔骨格変異増加が認められている〔2.2参照〕。
授乳婦
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)〔16.3.3参照〕。
小児等
投与しないこと(小児等を対象とした臨床試験は実施していない、動物実験(幼若犬)で関節部軟骨障害が認められている)〔2.3参照〕。
適用上の注意
取扱い上の注意
プラスチックボトル開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報
培養細胞(チャイニーズ・ハムスター由来)で、光染色体異常誘発性が認められている(in vitro)。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
販売名 有効成分 添加剤
グレースビット細粒10% 細粒1g中 D‐マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、黄色三二酸化鉄、ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリル酸コポリマーLD、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、クエン酸トリエチル、軽質無水ケイ酸、アスパルテーム(L‐フェニルアラニン化合物)、香料
シタフロキサシン水和物
106.6mg
(シタフロキサシンとして100mg)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
3.2 製剤の性状
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
販売名 剤形 色
グレースビット細粒10% コーティング細粒 淡黄色〜黄色
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
薬効薬理
18.1 作用機序
シタフロキサシンは細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼIVに対して阻害活性を示し、殺菌的に作用する。本剤の両酵素に対する阻害活性は、対照とした他のニューキノロン系抗菌薬より強かった。さらに、本剤はキノロン耐性菌由来酵素に対しても強い阻害活性を示した(in vitro)。
18.2 抗菌作用
シタフロキサシンは好気性又は嫌気性のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、非定型菌に対し、幅広い抗菌スペクトルを有し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)などに対して強い抗菌力を示した。特に肺炎球菌(ペニシリン耐性、マクロライド耐性及び多剤耐性肺炎球菌を含む)及び腸球菌属、緑膿菌及び大腸菌(キノロン耐性大腸菌を含む)に対して、他のニューキノロン系抗菌薬に比べ強い抗菌活性を示した。
18.3 実験的感染症に対する治療効果
グラム陽性菌及びグラム陰性菌によるマウス敗血症モデルにおいて、シタフロキサシンはin vitroでの抗菌力を反映する感染防御効果を示した。また、肺炎球菌によるマウス呼吸器感染モデルにおいて、対照とした他のニューキノロン系抗菌薬より優れた治療効果を示した。
18.4 呼吸器感染症におけるPK/PD解析
成人の呼吸器感染症を対象とした臨床試験で実施したPK/PD解析結果から、AUC0−24hr/MIC又はCmax/MICの上昇に伴い、原因菌の消失率が上昇することが確認された。肺炎球菌22株を含む呼吸器感染症の主要原因菌の消失率は、AUC0−24hr/MICが100を超えた場合に96.3%(78/81)、Cmax/MICが5を超えた場合に96.3%(79/82)であった。また、肺炎球菌性呼吸器感染症を対象とした臨床試験における肺炎球菌の消失率は、血清中シタフロキサシン濃度を非結合型濃度に換算したfAUC0−24hr/MICが30を超えた場合に98.9%(89/90)、fCpeak/MICが2を超えた場合に98.9%(89/90)であった。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人男性にシタフロキサシンを単回経口投与(空腹時及び食後)した場合、血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりである。
シタフロキサシン単回経口投与時の血清中濃度推移
<<図省略>>
シタフロキサシン単回経口投与時の薬物動態パラメータ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
投与量 例数 Cmax(μg/mL) Tmax(hr) t1/2(hr) AUC0−∞(μg・hr/mL) Vdz/F(L/kg)
50mg空腹時 6 0.51±0.14 1.2±0.5 6.2±0.4 2.62±0.52 2.8±0.5
100mg空腹時 6 1.00±0.14 1.2±0.5 5.7±0.7 5.55±1.22 2.5±0.7
100mg食後 6 0.88±0.31 2.0±0.8 5.5±0.5 5.81±1.31 2.3±0.3
ノンコンパートメント解析(mean±SD)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
16.3 分布
16.3.1 シタフロキサシン50mg又は100mgを単回経口投与した場合の各組織及び体液中濃度は次のとおりであり、良好な組織移行性が確認された。
組織・体液中シタフロキサシン濃度
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
組織・体液 投与量 例数 投与後時間(hr) 組織・体液中濃度(μg/g、μg/mL) 対血清中濃度比
中耳粘膜 100mg 9 2.7〜3.1 0.82±0.73 1.4±0.7注1)
上顎洞粘膜 100mg 4 2.0〜3.0 0.56±0.31 1.1±0.8
篩骨洞粘膜 100mg 6 2.3〜4.0 0.96±0.61 1.6±0.5
口蓋扁桃 50mg 10 2.0〜3.8 0.63±0.20 1.8±0.4
歯肉 50mg 10 2.7〜3.7 0.57±0.17 1.3±0.4
抜歯創貯留液 50mg 10 2.7〜3.7 0.32±0.17 0.8±0.5
mean±SD
注1)血清中濃度が定量下限未満となった被験者以外の8名の値
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
16.3.2 血清蛋白結合率
健康成人にシタフロキサシンを100mg単回経口投与した場合、投与後1時間、4時間、8時間における本剤の血清蛋白結合率は46%〜55%(限外ろ過法)であり、いずれの時点においてもほぼ一定の値を示した。
16.3.3 ラット乳汁移行性
分娩後9日目の哺育中ラットに14C標識シタフロキサシン水和物4.69mg/kgを非絶食下単回経口投与したとき、投与後8時間までの乳汁中放射能濃度の血清中濃度に対する比は2.59〜4.25であった。[9.6参照]
16.4 代謝
シタフロキサシンはほとんど代謝を受けず、未変化体のまま尿中に排泄された。一部、血清、尿、糞中代謝物としてグルクロナイド、7’‐オキソ体、7’S‐水酸化体、7’S‐水酸化体グルクロナイド、N‐アセチル抱合体が認められた(外国人データ)。
ヒト生体試料を用いたin vitro試験では、チトクロームP450分子種CYP1A1及びCYP1A2に対し弱い阻害を示したが、CYP2C9、CYP2D6及びCYP3A4などに対しては、阻害は認められなかった(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人にシタフロキサシン50mg、100mgを空腹時単回経口投与した場合、投与後48時間までに、それぞれ投与量の約70%が未変化体のまま尿中に排泄された。
また、14C標識シタフロキサシン100mg単回経口投与後、72時間までに放射能の約80%が尿中へ、約20%が糞中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
CLcr値により3群に分け、シタフロキサシン50mgを空腹時単回投与した場合、腎機能低下に伴い、血清中濃度の消失の遅延及び尿中排泄の遅延が認められた。[7.、9.2参照]
腎機能障害患者における薬物動態パラメータ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
腎機能CLcr(mL/min) 例数 Cmax(μg/mL) Tmax(hr) t1/2(hr) AUC0−24hr(μg・hr/mL) 累積尿中排泄率(%)
0〜24時間 0〜48時間
軽度障害群60≦CLcr<90 6 0.63±0.35 1.7±1.1 7.5±1.3 4.18±0.91 43.4±7.1 48.9±7.4
中等度障害群30≦CLcr<60 3 0.75±0.22 1.5±1.3 11.5±2.2 6.29±1.21 37.4±4.2 44.7±2.2
重度障害群10≦CLcr<30 3 0.60±0.06 1.8±1.9 16.3±2.1 6.33±0.67 14.5±5.1 20.1±5.8
ノンコンパートメント解析(mean±SD)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
参考:腎機能低下患者の目安とされる用法及び用量で投与した場合の母集団薬物動態解析から推定した薬物動態パラメータ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
腎機能CLcr(mL/min) 母集団薬物動態解析から推定したパラメータ注2)
Cmax(μg/mL) AUC0−24hr(μg・hr/mL)
50≦CLcr Cmax≦0.72注3) AUC0−24hr≦12.92注3)
Cmax≦1.01注4) AUC0−24hr≦12.92注4)
30≦CLcr<50 0.51<Cmax≦0.67 6.46<AUC0−24hr≦10.78
10≦CLcr<30 0.50<Cmax≦0.91 5.39<AUC0−48hr×1/2≦16.13
注2)体重60kgとした場合
注3)50mg1日2回
注4)100mg1日1回
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
16.6.2 高齢者
高齢者5名(67〜80歳)及び非高齢者6名(25〜35歳)にシタフロキサシン100mgを空腹時単回投与した場合、非高齢者群に比べて高齢者群では、t1/2の延長、Cmaxの低下及びAUC0−24hrの増加がみられた。シタフロキサシンの薬物動態は、加齢に伴う吸収・排泄機能低下により影響されることが示唆された。[9.8.2参照]
高齢者及び非高齢者における薬物動態パラメータ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
群 例数 Cmax(μg/mL) Tmax(hr) AUC0−24hr(μg・hr/mL) t1/2注5)(hr)
高齢者 5 0.61±0.23 3.80±1.48 6.35±1.51 6.05±1.19
非高齢者 6 0.91±0.38 0.92±0.20 4.86±0.82 3.30±1.18
ノンコンパートメント解析(mean±SD)
注5)1‐コンパートメントモデル解析により算出
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
16.7 薬物相互作用
16.7.1 アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸薬等、カルシウム剤、鉄剤
シタフロキサシン100mgを単回経口投与時に、乾燥水酸化アルミニウムゲル(1g)、酸化マグネシウム(500mg)、沈降炭酸カルシウム(1g)又は乾燥硫酸鉄(鉄として50mg)を併用経口投与した場合、シタフロキサシンのAUC0−24hrはそれぞれシタフロキサシン単独投与時の25%、49%、68%及び44%に低下し、シタフロキサシンのCmaxはそれぞれシタフロキサシン単独投与時の18%、43%、63%及び33%に低下した。[10.2参照]