特徴
Ara-A。アシクロビル耐性のウイルスに
専門医コメント
内服薬との併用での処方は保険適用外となる
用法・用量
患部に適量を1日1〜4回、塗布又は貼布する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
用法・用量に関連する注意
7.1. 本剤の使用は、発病初期に近い程効果が期待できるので、原則として発症から5日以内に使用開始すること。
7.2. 本剤を7日間使用し、改善の兆しがみられないか、あるいは悪化する場合には他の治療に切り替えること。
腎機能用量
15≦CCr<60:腎機能正常者と同じ
CCr<15・透析:投与量を75%に減量。血液透析患者は血液透析日には血液透析後に投与
適応
単純ヘルペス脳炎、帯状疱疹、単純疱疹、免疫抑制患者における帯状疱疹
効果・効能
帯状疱疹、単純疱疹。
効果・効能に関連する注意
本剤は局所治療を目的とした薬剤であるため、発熱、汎発疹等の全身症状がみられる場合又は使用中にあらわれた場合には重症化することがあるので、他の全身的治療を考慮すること。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
皮膚:(1%未満)接触皮膚炎様症状、皮膚刺激感、皮膚そう痒感等。
重要な基本的な注意
特定の背景を有する患者に関する注意
相互作用
10.2. 併用注意:
ペントスタチン[ビダラビン<注射剤>との併用で腎不全・肝不全・神経毒性等の重篤な副作用が発現したとの報告がある(ペントスタチンが、ビダラビンの代謝に関与するADA(アデノシンデアミナーゼ)酵素の阻害作用を有するため、ビダラビンの血中濃度が高まることによると考えられる)]。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること(静脈投与による動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されている)。
小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。14.2. 薬剤使用時の注意
眼科用として角膜・結膜には使用しないこと。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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有効成分[1g中] ビダラビン 30mg
添加剤 白色ワセリン、ミリスチン酸イソプロピル、ゲル化炭化水素、ジブチルヒドロキシトルエン
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3.2 製剤の性状
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剤形 軟膏剤
性状 白色
識別コード SW‐308(容器上表示)
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薬効薬理
18.1 作用機序
ウイルスのDNA依存DNAポリメラーゼを強力に阻害することにより抗ウイルス作用が発現するものと推察されている。
18.2 抗ウイルス作用
18.2.1 ビダラビンは単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、ワクチニアウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス等のDNAウイルスに対しては強い増殖抑制作用を有するが、インフルエンザウイルス等のRNAウイルスに対する増殖抑制作用は認められていない(in vitro)。
18.2.2 単純ヘルペスウイルス1型を側腹部皮内に接種したマウスにウイルス接種3時間後よりビダラビン3%含有軟膏を12時間ごとに塗布した実験において、ビダラビン投与群ではプラセボ投与群に比し死亡率が有意に低下した。また、ウイルス接種24時間後より塗布を開始した実験でもビダラビン非塗布の対照群に比し有意な生存期間の延長が認められた。
18.2.3 単純ヘルペスウイルス1型又はアシクロビル耐性の単純ヘルペスウイルス2型を側腹部皮内に接種したマウスにウイルス接種3時間後よりビダラビン3%含有クリームを12時間ごとに塗布した実験において、ビダラビン投与群ではプラセボ投与群に比しいずれのウイルス接種においても死亡率の有意な低下と生存期間の有意な延長が認められた。
18.3 生物学的同等性試験
マウス単純ヘルペスウイルスI型(HSV‐I)感染症(皮膚感染症、会陰部感染症)モデルにおける生存率を指標として、ビダラビン軟膏3%「SW」とアラセナ−A軟膏3%の抗ウイルス作用を比較検討した。その結果、両剤とも基剤塗布群に比して有意に生存率を上昇させ、両剤間に有意な差は認められず、両剤は生物学的に同等であると判断された。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人男性(10例)にビダラビン軟膏3%10g(ビダラビンとして300mg)を24時間、密封塗布したところ、ビダラビンの血漿中濃度は検出限界以下であった。
16.5 排泄
健康成人男性(10例)にビダラビン軟膏3%10g(ビダラビンとして300mg)を24時間、密封塗布したところ、塗布開始後48時間までのビダラビン及び主代謝物であるAra‐Hx(9‐β‐D‐Arabinofuranosyl Hypoxanthine)の尿中濃度は検出限界以下であった。