Antaa DI

drug

イソバイドシロップ70%分包20mL

イソソルビド液

浸透圧利尿薬 >>

特徴

  • 眼圧・内リンパ圧降下作用があり、主にメニ

専門医コメント

メニエール病に対して用いるが、苦みが強い

用法・用量

〈脳腫瘍時の脳圧降下、頭部外傷に起因する脳圧亢進時の脳圧降下、腎・尿管結石時の利尿、緑内障の眼圧降下〉

脳圧降下、眼圧降下、及び利尿を目的とする場合には、通常成人1日量70〜140mLを2〜3回に分けて経口投与する。症状により適宜増量する。必要によって冷水で2倍程度に希釈して経口投与する。

〈メニエール病〉

メニエール病の場合には、1日体重当り1.5〜2.0mL/kgを標準用量とし、通常成人1日量90〜120mLを毎食後3回に分けて経口投与する。症状により適宜増減する。

必要によって冷水で2倍程度に希釈して経口投与する。

禁忌

2.1. 本剤及び本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2. 急性頭蓋内血腫のある患者[急性頭蓋内血腫を疑われる患者に、頭蓋内血腫の存在を確認することなく本剤を投与した場合、脳圧により、一時止血していたものが、頭蓋内圧の減少とともに再び出血し始めることもあるので、出血源を処理し、再出血のおそれのないことを確認しない限り本剤を投与しないこと]。

腎機能用量

腎不全患者の投与方法に言及した報告はない。利尿作用に伴う脱水による腎機能悪化に要注意

適応

脳腫瘍、頭部外傷に起因する脳圧亢進時の脳圧降下、腎・尿管結石時の利尿、緑内障の眼圧降下、メニエール病

効果・効能

脳腫瘍時の脳圧降下、頭部外傷に起因する脳圧亢進時の脳圧降下、腎結石時・尿管結石時の利尿、緑内障の眼圧降下、メニエール病。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):発疹、呼吸困難、血圧低下、動悸等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、悪心、下痢、嘔吐、食欲不振。2). 精神神経系:(0.1〜5%未満)不眠、頭痛。

3). 過敏症:(頻度不明)発疹、紅斑。

4). 電解質:(頻度不明)電解質異常(長期連用による)。発現頻度は、初回承認時の臨床試験、市販後の副作用頻度調査及びメニエール病に関する効能追加時の臨床試験の結果に基づく。

重要な基本的な注意

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 脱水状態の患者:本剤の利尿作用により症状を悪化させることがある。9.1.2. 尿閉のある患者:本剤の利尿作用により症状を悪化させることがある。9.1.3. うっ血性心不全のある患者:浸透圧利尿作用のため循環血液量が増大し、心臓に負担をかけることがある。

腎機能障害患者

腎機能障害患者:本剤の利尿作用により症状を悪化させることがある。

高齢者

減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

分包品は服用直前まで開封しないこと。服用後の残液は廃棄し、保存しないこと。(取扱い上の注意)

20.2. 本剤は保存条件により、多少色調の変化が見られることがあるが、薬効には影響はない。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 イソバイドシロップ70%分包20mL

有効成分 20mL中

イソソルビド 14.0g

添加剤 乳酸、D‐ソルビトール、サッカリンNa水和物、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、香料

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3.2 製剤の性状

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販売名 イソバイドシロップ70%分包20mL

性状 無色〜淡黄褐色の液(シロップ剤)で芳香がある。

味は初め甘みと酸味があり、後やや苦い。

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薬効薬理

18.1 作用機序

体内でほとんど代謝を受けないため、濃厚液を大量に投与すると組織中の水分を血液中に移動させる。腎糸球体で容易にろ過され、糸球体ろ過量(GFR)を増加させる。尿細管で再吸収されないため、尿細管腔内の浸透圧が上昇し、水の再吸収が抑制される。その結果、電解質及び水の排泄が増加し、組織中の水分量が減少するため、頭蓋内圧や眼圧、及び内リンパ圧が低下する。

18.2 利尿作用

イヌにイソソルビドを経口投与(1〜2g/kg)したところ、30分で尿量が増大した。

18.3 脳圧降下作用

イヌ(n=9)にイソソルビドを経口投与(3g/kg)したところ、脳脊髄圧は平均36%低下し、1〜1.5時間後に最低値に達した。

18.4 眼圧降下作用

家兎にイソソルビドを経口投与(2g/kg)したところ、眼圧は45分後に最低値に達した。

18.5 内リンパ圧降下作用

内リンパ水腫モルモットにイソソルビドを頸静脈投与(1.6mL/kg(85w/v%))したところ、内リンパ圧は5〜10分でほぼ0に近い低下を示した。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 単回投与

健康成人男性3例に本剤30mLを単回経口投与したとき、半減期(T1/2)は6.84±0.17時間(平均値±標準偏差、以下同様)、血清中薬物濃度−時間曲線下面積(AUC)は4.61±0.47mg・hr/mL、体内平均滞留時間(MRT)は10.68±0.80時間、分布容積(Vd)は0.66±0.03L/kgであった。

16.5 排泄

健康成人男性3例に本剤30mLを単回経口投与したとき、投与24時間後には投与量の約80%が未変化体で尿中に排泄された。